2012年12月30日日曜日

中国の衛星測位システム「北斗」 軍事力のうえでの意義は

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サーチナニュース 2012/12/28(金) 18:42
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1228&f=politics_1228_016.shtml

中国の衛星測位システム「北斗」 軍事力のうえでの意義は

  中国国務院新聞弁公室は2012年12月27日10時に記者会見を開き、中国の衛星測位システム「北斗」の地域ネットワークとアジア太平洋地域測位システムの構築が全面的に完了し、正式に運行を開始したと発表した。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。(写真は「CNSPHOTO」提供)

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  中国で「北斗」の将来性が期待されているが、全国人民代表大会の代表、中国航天科技集団公司の張建恒副総経理はメディアに対して
 「第12次五カ年計画期間(2011-2015年)、北斗の普及が飛躍的に進むだろう」
と自信を示した。

  「北斗」は中国の国家重大インフラであり、中国の長期的な戦略的発展方針の1つだ。
 同システムは10年間の建設を経て、2012年10月25日に最後の衛星を打ち上げた。

  同システムの構築は、
 「3ステップ」に分かれており、
 第1ステップは03年の北斗衛星測位試験システムの構築で、静止軌道上の3基の衛星および地上のシステムによって形成され、現在までに理想的な成果を獲得した。

  第2ステップは同システムの地域ネットワークの構築で、現在はすでに完了している。
 専門家は、
  「中国はすでに同システムの衛星を16基打ち上げており、そのうちの14基は軌道上でサービスを提供、5GEO+5IGSO+4MEOの星座の構造を形成している。
 システム全体が安定的に運行しており、アジア太平洋地域全体にサービスを提供する能力を持つ」
と指摘した。

 第3ステップは、2020年までに同システムのグローバルネットワークを構築することだ。
 「北斗」は米国の第2世代GPSに相当し、測位精度の誤差を水平方向で10メートル、垂直方向で15メートル縮小し、速度測定精度は0.2メートル毎秒優れている。

  衛星打ち上げと同時に、同システムは多くのシステム試験を実施し、ユーザー試験を実施した。
 同試験は、中国国内の50以上の企業、地上・海面・空中、さらに一部の宇宙空間もカバーした。
 試験方法には、船舶搭載、航空機搭載、車両搭載が含まれる。

  試験実施区域は17の省・直轄市を跨ぎ、南は南極の中山基地まで達した。
 ダイナミックレンジは高速で300キロ毎時に達し、試験記録データは1 万時間を超えた。
 中国の衛星測位応用産業市場において、「北斗」の占める比率は5-6%で、そのほかのシェアはGPSに占められている。

  第2世代「北斗」が構築されれば、国家政策からの力強い支援を受け、市場の需要が爆発的に増加する見通しだ。
 20年の中国における同システムの市場規模は5000億元(約5兆2000億円)に達するだろう
 12年は第2世代「北斗」使用の初年度とされ、今後の普及が期待される。

  アジア太平洋地域の測位システム構築は、中国が米国・ロシアに続き自主衛星測位システムを保有した3番目の国家になったことを示す。

 中国はすでに、アジア太平洋地域全体に対して精密攻撃を行う能力を持つ。
 これは中国の軍事力の強化にとって重要な節目となり、その戦略的な意義は
 「原爆・ミサイル・人工衛星」と同等だ。





朝鮮日報 記事入力 : 2012/12/29 10:14
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/29/2012122900338.html

中国版GPS「北斗」、サービス地域を拡大
米GPSに対抗

 中国が独自に開発した衛星利用ナビゲーションシステム「北斗(BDS)」が、アジア・太平洋地域を対象とするサービスを開始した。
 これにより韓国でも、BDSの衛星チップを装着した端末機があれば、このシステムを利用した位置確認が可能になる。

 中国の『新京報』は28日、中国衛星ナビケーションシステム管理弁公室の冉承其報道官の話を引用し
 「BDSが今月27日から、アジア・太平洋地域を対象とするサービスを開始した」
と報じた。

 中国は2000年からBDSの開発に着手し、このサービスのために合計16基の衛星を打ち上げて運用している。
 また昨年12月から1年間にわたり、中国大陸を対象とする試験的サービスを行ってきた。

 BDSのサービス範囲は、西はアフガニスタン、東は太平洋に面したロシアのカムチャツカ半島に至る。
 また北はモンゴル、南はオーストラリア北部地域までカバーする。

 衛星利用ナビゲーションシステムは、世界的に見ると
 米国のGPS、
 ロシアのグロナス、
 欧州連合(EU)のガリレオ
が既に存在しており、
 中国は世界で4番目に独自の衛星利用ナビゲーションシステムを開発した。

  『新京報』によると、中国は、20年までにBDSの運用衛星の数を35基に増やし、全世界でサービスを実施する計画だという。
 費用は総額で450億元(現在のレートで約6215億円)と予想されている。

 中国が独自の衛星利用ナビゲーションシステム構築に乗り出したのは、軍事的な目的だけでなく、米国のGPSがほぼ独占している衛星測位システム市場に進出する、という意図もある。
 現在、中国国内の衛星測位システム市場は、95%を米国のGPSが握っている。
 BDSの市場シェアは5%にすぎない。
 冉報道官は
 「中国は15年までに市場シェアを15-20%に伸ばし、20年には市場の70-80%を確保するだろう」
と語った。