2012年12月17日月曜日

自民党が勝利、錯綜する期待と不安:「キツネが去り、狼が来た」

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●17日、日本の第46回衆議院議員総選挙の結果が出た。集計結果では全480議席中、自民党が294議席を獲得して大勝した。写真は日本メディアの衆院選に関する報道。



レコードチャイナ 配信日時:2012年12月17日 16時35分
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日本の衆議院選挙で自民党が勝利、錯綜する期待と不安―中国メディア

 2012年12月17日、日本の第46回衆議院議員総選挙の結果が出た。
 集計結果では全480議席中、自民党が294議席を獲得して大勝した。
 民主党はわずか57議席で、野田佳彦首相は民主党惨敗の責任をとって代表辞任の意向を表明した。
 総選挙後、自民党は右傾化の暗雲の立ちこめる日本をどの方向へ引っ張っていくのか?
 日本の次期政権は客観的、公正に歴史に向き合えるのか?
 緊張深まる周辺国との関係をどう処理するのか?
 世論はこれらの点に注目している。

低い投票率、3年前より10ポイント減

 ある50代の男性は
 「投票に間に合ってとてもよかった。自民党に投票した」
と語った。
 民主党は実行力がないうえ、日中関係を悪化させたからだと言う。
 別の30代の男性は「今回は政党が非常に多いうえ、多くの政策が非常に似通っている」と指摘。
 投票締め切りの1時間前になってようやく自民党への投票を決めたという。
 「他の政党と比べ自民党は執政経験が豊富で、各分野の人材もいる。現在の複雑な内政と外交上の苦境を解決できるのは自民党だけだと信じている」
と話している。
 総務省の発表によると、今回の投票率は約59%で、3年前の総選挙を10ポイント近く下回った。

憲法改正を主張、自衛隊を国防軍に

 今年選挙権を得たばかりの20歳の大学生、高橋さんは日本共産党に投票した。
 自民党と日本維新の会による憲法改正の企てを牽制する役割を期待したという。
 投票所の外で、ベンチで休んでいた91歳と84歳のおばあさんに出会った。
 2人は、3年前は民主党に投票したが、民主党は自民、公明両党と一緒に消費税増税法案を可決し、年金暮らしの人々をさらに苦しくしたため、今回は日本未来の党に投票したという。

 勝利した自民党は内外政策を調整する。
 自民党は安保・外交面では日米同盟の強化を基礎とする外交を展開し、集団的自衛権を行使し、憲法を改正して自衛隊を国防軍に改称し、海上保安庁の人員・装備・予算を拡充して、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の実効支配を強化することを主張している。

政策の行方、世界各国が緊密に注視

 ニューヨーク・タイムズは自民党勝利の原因について
 「民主党は原発事故への対応が不適切で、前回選挙時の公約を果たせなかったし、他の新党も信頼性に欠けた」
と分析。
 「安倍晋三氏が日本国憲法改正など日本を極右の道に引っ張った場合、民衆はすぐに反対に回るだろう」
との専門家らの警告を伝えた。

 ロイター通信は
 「選挙時の安倍晋三氏の発言は強硬だが、自民党が総選挙で勝利した場合、中国との深刻な衝突の発生を回避する」
と指摘。
 「外交政策に精通する自民党議員は『領土問題での姿勢は強硬だが、安部政権は中国との関係を改善し、両国関係を一層実務的なものにすることを望んでいる』と示唆した」
と報じた。

 一方、英BBCウェブサイトは
 「安倍晋三氏は選挙時の自らの約束を果たすべく努力するだろう。
 すなわち日本の軍事力と国防を強化し、中国と真っ向から対立することだ。
 安倍氏はかつて、当選した場合、自らの政権は尖閣諸島(中国名:釣魚島)への恒久的施設の建設を検討するだろうと表明した」
と報じた。

やむを得ない選択(論評)

楊伯江(ヤン・ボージアン、中国社会科学院日本研究所)

 日本の民衆が自民党を選択したのは、1つには自民党が好きだからではなく、民主党政権の3年間の失敗に対する反発だ。
 概算統計は、投票率が高くない中で民衆が自民党を選択したのは、実はやむを得ない選択だったことを示している。
 もう1つは、有権者の関心のポイントと関係がある。
 民衆は景気回復を最優先事項にすべきだと考え、雇用と生活の質の改善を期待している。
 古株の与党である自民党は一定のガバナンス能力を持ち、その宣伝スローガンに民衆は引きつけられた。

廉徳瑰(リエン・ダーグイ、上海国際問題研究院アジア太平洋研究センター副主任、研究員)

 日本の衆議院選挙の結果が発表され、自民党が勝利し、民主党が敗北した。
 政権は両党間で交代する。
 だが政局の変化の背後には、変わらない要素も依然存在する。政党は依然として劣った中からましなものを選ぶものであり、政治屋は依然として右傾保守であり、政策は依然として揺れ動いて定まらない。
 自民党は今回捲土重来したが、決して面目を一新してはいない。
 右傾保守は日本を救えない。
 政策の揺れは有権者が戸惑うだけでなく、隣国の信頼も失う。
 長く続けば、短命内閣の悪循環から抜け出せない。

呉懐中(ウー・ホアイジョン、中国社会科学院日本研究所)

 間もなく就任する日本政府の指導者は直面する各方面の試練に対してはっきりした認識を持つ必要がある。
 長期的な経済衰退により、日本国内は沈滞しきっている。

 現実的意義から言えば、日本は国内経済の振興、民生改善、財政赤字削減などの面で、中国など新興市場国の牽引力に頼らなければならない。
 日中間の貿易・投資額は2011年に3000億ドル(約25兆円)を超えた。
 日中関係の改善は日本政府が国内経済の苦境から脱するうえで、要となる意義を持つ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)




レコードチャイナ 配信日時:2012年12月17日 17時49分
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衆院選に中国も大注目、「キツネが去り、狼が来た」などコメント50万件超―中国版ツイッター

 2012年12月16日に投開票が行われた第46回衆院選は自民党が圧勝、民主党が惨敗という結果になった。
 多くの有権者の迷いを反映したのか、戦後最低の投票率を記録したのも注目すべき点だ。
 自民党の安倍晋三総裁は政権奪還を確実にしたことを受け、すでに人事などで新政権移行の準備にとりかかっている。
 今秋以降、対日関係で緊張の局面を引きずっている中国ではこれを受けて、日本のさらなる右傾化や対中政策に懸念を抱く向きもある。

 “中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイトでは「♯日本衆議院選挙」のハッシュタグが登場し、17日午後2時30分時点で50万件近い関連投稿が寄せられている。
 中国一般の反応にはどのようなものが見られるのだろうか。
 投稿の多数は、
 「尖閣問題はどうなるのか?」
 「尖閣を奪還しよう」
 「極右政権や対中強硬派の政権が誕生したら、中国も迎え撃つしかない」
といった、いささかヒステリックなものが占めた。
 以下にその他の意見をご紹介する。

「キツネ(=野田)が去り、狼(=安倍)が来た」
「警戒すべき事態だ」
「誰が政権をとろうと同じだ。日本の政治を決める指揮棒を握っているのはアメリカだ」

 「安倍さんが再選することは中国政府も早々に予想していたことだろう。
 だとしたら、政府もすでに万全の対策を立てているはずだ、心配には及ばない。
 今度は強硬派が日本の首相になるが、中国にとって吉報だと言える。
 日本に応戦する十分な口実になるからだ。
 応戦は決して宣戦布告ではない。
 しかし、戦の準備は整えておかねば、戦を一方的にしかけられるはめになる」

 「安倍氏の首相再任は何を意味するか?
 日本はすでに右傾化が始まっているということだ!
 何が日中友好だ、何が戦略的互恵関係だ」

 「目覚めよ、中国政府!
 日中民間の友好だとか、日本国民の友情だとかで自らを欺くな!」

 「総理就任、退任、そして再任。安倍さんも充分に目が覚めたろう。
 日本によりよい未来を」

 「日本の政治家たちによる頻繁な政権交代はまるで子供の泥遊びのよう。
 しかし、それでも日本の国力をみくびってはならない」

 「誰が政権をとろうとも、国債問題と領土問題が優先事項となる。
 もちろん、頻繁に政権交代することは国民の生活に影響を及ぼしているだろうし、どの政策も長続きしないということだ。
 いずれにせよ、どんな国にしても、国民が幸福であることが至上だ」

 「大敗したからって党首を辞任するなんて、野田さん、それは責任逃れではないか?」

 「日本は多党制だから各党が互いに監視しあい、腐敗を抑制することができる。
 与党がダメなら野党がこれを引きずり下ろす。
 中国もこれに倣ってほしいね」

 「外国の選挙(=衆院選、米・韓大統領選)ばかりに注目してメディアの浪費。
 日本で誰が政権をとろうと関係ない。
 自国の発展に集中しよう!隣国で政権交代したからといってその対中政策の緩和に期待するのは無邪気すぎる」

 「自分のやるべきことをしよう。
 自国を強化して外患を防ぐこと」




レコードチャイナ 配信日時:2012年12月17日 17時29分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67539&type=0

安倍総裁の尖閣常駐案、米専門家「実行の可能性低い」―台湾メディア

 2012年12月16日、台湾・中央社によると、米テンプル大日本校アジア研究主任のジェフ・キングストン氏はこのほど米外交誌フォーリン・ポリシーで、今回の衆院選で勝利した自民党の安倍晋三総裁について、
 「選挙期間中は尖閣諸島への公務員常駐案など強硬姿勢を貫いたが、選挙後実行に移す可能性は低い」
と予測した。
 環球時報(電子版)が伝えた。

キングストン氏は安倍総裁が前回当選後、日中関係修復のためすぐ訪中したと指摘。今回の選挙では尖閣常駐案などで強硬姿勢を示したが、「恐らく実現は難しい」と指摘。
 尖閣への人員派遣は日中関係の緊張を高めるだけでなく、両国経済に打撃を与えると述べた。

 また、同氏は17年ぶりに国政復帰した日本維新の会・石原慎太郎代表について、今後の動向を注視する必要があると指摘。
 「石原代表は日本政界の最重要人物。国政で何を強く主張し、逆にどこで妥協するかみるに値する」
とした。
 一方で同氏は、日本社会は地域情勢の緊迫化を望んでいないが、主権・歴史問題で中国との対立が深まれば、両国間の交渉余地は狭まると懸念を示した。